いつかはコーヒーに関わる仕事をしたい、との思いに押され、2014年、ハワイ島コナ・コーヒー農園での研修に参加しました。
教室での座学は、コーヒーの歴史から、豆の種類、気候、土壌、収穫から精製工程、焙煎、ドリップ技術、等、多岐に渡りましたが、圧巻は農場での実習、コーヒー苗木の植え付け、コーヒーチェリーの収穫、精製、乾燥工程、等を体験させてもらいました。
収穫期最後の、まっ赤に熟したコーヒーチェリー、収穫の終わった木には、次のシーズンの為に、真っ白なコーヒーの花が咲き、海を見下ろす高台の農園で作業をしながら眺めるハワイの青い空と、青い海。コーヒー農園の、絵のような景色は、まるで天国にいるような幸福感を感じられるものでした。

作業が終わった後、海を眺めながらテラスで頂いたコーヒーの香りと味わいは「コーヒーが飲む人に幸福感を与えてくれる」ものだと云うコーヒーの効能を体感するのに充分なものでした。
そんなコナ・コーヒー農園での、景色と幸福感は10年の時を経ても色褪せることなく、その想いが「コーヒーに関わる仕事」で、「幸福感を届けたい」に結実、都内でコーヒーショップを展開した後、2024年、「スペシャリティーコーヒー専門」のブルーオーシャンコーヒーのECサイトを開設いたしました。
スペシャルティーコーヒーについて
コーヒーは「アカネ科コフィア属>コーヒーノキ」と云う常緑樹に実る果実「コーヒーチェリー」の中の種子部分なのです。

「コーヒーノキ」には「アラビカ種」「カネフォラ種」と云う代表的な種類が有り、一般的に「ブラジル」「エチオピア」、等と、産地名で呼んでいるコーヒー豆の殆どが、品質が高く豊かな風味の「アラビカ種」で、その中に、ブルボン、ティピカ、ゲイシャ、等の品種が有ります。
「スペシャリティーコーヒー」は全てこの「アラビカ種」から生まれます。
「スペシャリティーコーヒー」は厳選された「アラビカ種」を、指定された農場で丁寧に栽培されますが、コーヒーチェリーは同じ枝に沢山、実を付けますが、いっぺんに熟すことはなく、5~6か月掛け少しづつ熟していきます。

その5~6か月の間に、生産者は順次、完熟したコーヒーチェリーを枝の中で選びながら手摘みします。


「完熟」した果物が美味しいように、コーヒーも完熟したチェリーから取れた生豆が美味しいのですが「手摘み」による収穫は大変手間が掛かります。
その為、大量生産するコーヒー農場は機械による収穫が主流のようです。
一般的に、機械による収穫は完熟前の豆も一緒に収穫してしまう為、一定の味、風味を期待することが出来ず、「スペシャリティーコーヒー」を名乗ることは出来ないようです。
丁寧に栽培、収穫されたコーヒー豆は、その後「精製」「乾燥」工程を経て輸出されていきますが、「スペシャイティーコーヒー」は、栽培されたコーヒー農園の肥料、農薬情報や加工工程、等、全ての情報を追跡できるトレサビリティが可能な仕組みになっています。
又、完成したコーヒー豆は、毎年「スペシャリティーコーヒー協会」の「カップ評価」で、「フレーバー」「酸味」「ボディー」、等の評価を受け、評点80点以上の評価を受けた豆だけが「スペシャリティーコーヒー」とされます。
一般に販売されているコーヒー豆は、大量に輸入、販売されている為、生産地の情報も不明で、農薬、等についてのネガティブ情報も得られず、安心感は今一つ、と云う感が有ります。
「スペシャリティーコーヒー」は手間を掛けて全ての情報を管理している為、安心して購入、生活の中で長期的に楽しんで頂ける嗜好品です。
*日本の業界では未だ、厳密な「スペシャリティーコーヒー」の基準が無く、上記のような管理がなされていないコーヒー豆に「スペシャリティー」を冠して販売されている例が有ります。
コーヒーの香りは、何故、私達に幸せを届けてくれるのか?

1. コーヒーの香り
コーヒーの香りは800種類以上の微量成分によって構成され、その成分が人々にリラックス効果をもたらすことが分かっていますが、その過程が未だ科学的に解明できないほど複雑な作用のようであります。
代表的な作用としては、「幸せの3大ホルモン」と呼ばれるドーパミンの分泌を促進し、快感、高揚感をもたらします。
同じくセロトニンの分泌にも作用し心身をリラックスさせると共に気分を明るくし全体的な幸福感を高める効果も有るそうです。
香りの効能以外に、コーヒーを飲むときはリラックスしている場面が多いので「過去の幸せな場面、経験」がコーヒーの香りによって蘇り、幸せ感を感じるようでもあります。
2. ストレスの軽減
2. ストレスを軽減するには、Rest(休憩)、Relaxation(癒し)、Recreation(活性化)の「3R」が必要ですが、これらを得るための方法の一つが「一瞬、ほかの事に夢中になる事」です。
中でも手軽な方法は「自分でコーヒーを淹れる」事です。
コーヒーを淹れる作業、と云うのは、お湯を沸かしたり、コーヒー豆を挽いたり、豆の量とお湯の量を考えあわせたり、と云ったレクレーションとしての楽しみが有り、「3R」の全てを満たしています。
コーヒーの香りそのものにリラックス効果が有り、飲むことが休息になり、飲むための準備にも「一瞬、夢中になり」手軽で、とても良い手段なのです。